前々回の続きです。
2日目は醍醐寺に行きました。
今回の旅、実は友人と行くことになっていたのですが、その友人が急に行けなくなり、どうしようかな~~、季節もいいしな~~、と思って夫を誘いましたら「無理…」と言われ、息子を誘いましたら「OK!」ということで、なんとなく一人では心配で一緒に行ってもらうことになりました。
三宝院という、歴代座主の方々が居住するお坊の特別参拝というのがありましたので事前に申し込んで、それが11時~となっていました。
少し前にそちらに参りましたら、中で観音経を上げておられました。
ああ、今日はまだ……と思って外で一緒に上げさせていただいてましたら、時間を見計らって中に入った息子が「もう待って下さってるから…」と中から呼んだので、お経を中断して急いで靴を脱いで中に上がりました。
ゆっくりと三宝院の中を一人のお坊さんが案内をしてくださり、しかもその特別参拝を希望していたのは私たち二人だけでしたので、訳の分からぬ質問にも丁寧にお答えくださって、30分のはずが45分にもなってしまっていたようです。
それから廊下に座って秀吉ゆかりのお庭をゆっくりと眺めてから、御朱印を頂いている間、息子が出口のところで行ったり来たりしていました。
ちょっと時間がかかってしまったので「お待たせ……」と、外に出ようとすると「靴がない」と言うのです。
そう、他の参拝者の方が息子の靴を間違えて履いていってしまったようなのです。
残っていたのは、同じニューバランスの色違いのスニーカーでした。
とりあえず、受付の方に話しましたら、急いでお坊さんが来てくださり、頭を抱えて「いや~~、こんなことがあるんですね。桜の季節で混んでいるならまだしも……」
そうなんです。そこに残っていた靴は園田のを含め、3~4足ほど。
「どうしたらよいのか…💦 ちょっと、考えますので… 帰りの時間は大丈夫ですか?」
と気にしてくださいました。
「時間はたっぷりありますので、どうぞご心配なく。もし、サンダルか何か貸していただけましたら、お食事をしてきてもよろしいでしょうか?先程、境内の中にお食事ができるお店があったようですので……」と申しましたら、お坊様が「ご案内します。」とお連れ下さったのが「今、此方のカフェが人気なんです」というイケアとコラボしたというおしゃれなお店でした。
有難く、そこでゆっくりとランチを楽しんでいる間に先程のお坊様が代わりの靴を買ってきてくださり、「本当に申し訳ありません、今日はこれでお帰り頂けますか?」と仰るのです。
靴がなくては帰れませんが、わざわざ買ってきてくださるとは…
この丁寧な対応に私も息子も本当に感謝…「お手数をおかけしました」と深々と頭を下げ、お坊様も「申し訳ない」と深々と頭を下げてくださいました。
長いランチを済ませて、サンダルをお返しに行こうと言って、支払いに立つとレジの女性が「お寺さんから頂きましたので、もう会計は済んでます。」と仰るのです。
なんということでしょう。私たちはお昼を醍醐寺さんでごちそうになってしまったのです。
三宝院の受付までサンダルをお返しに戻り、「先程のお坊様(お名刺には〇〇本部長と書かれていました)にくれぐれもよろしくお伝えください。」と言って帰って参りました。
実は、園田にとっては今回の京都は、気学で言う、吉方への旅でした。
ところが息子は急に決まったため、吉方とはなりませんでした。
それで、行きの新幹線の中で、いつもの「凶方へ行くときのお守り」を息子に持ってもらいました。何も起きないとは思うけど…と言いながら……
東京から京都は西方への旅で、10月は八白土星が回っていました。
八白土星の象意には「2個を合わせて1個としたもの」というのがあります。
これが今回、どなたかに履かれて行ってしまった息子の靴で、凶作用の出現と考えてよいのでしょう。
無くなってしまった靴は残念ですが、醍醐寺さんの丁寧かつ心のこもった対応により、忘れられない良い旅となりました。
たぶん、お守りが効いてくれたのですね。
あの時……私が観音経を上げていなければ息子の隣に靴を並べていたはずでした。
そうしたら多分、間違われていなかったのではないかと思います。
もしかしたら、観音様がつないでくださったご縁かもしれません。
感謝